○大鰐町文化財保護条例

昭和59年3月19日

条例第2号

(目的)

第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第98条第2項の規定に基づき、大鰐町の文化財の保存及び活用のための措置について、必要な事項を定めることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例で「文化財」とは、法第2条第1項各号に掲げる有形文化財、無形文化財、民俗文化財及び記念物で、次の各号に掲げるもの以外のものをいう。

(1) 法及び青森県文化財保護条例(昭和50年青森県条例第46号。以下「県条例」という。)の規定により指定されたもの

(2) 大鰐町の区域外に存するもの

(財産権等の尊重及び他の公益との調整)

第3条 大鰐町教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の施行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。

(文化財審議委員の設置)

第4条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項本文の規定に基づき、教育委員会の附属機関として、大鰐町文化財審議委員(以下「委員」という。)を置く。

(任務)

第5条 委員は、文化財の保存及び活用に関し、教育委員会の諮問に応じ、これに対して意見を述べ、及びその職務を行うために必要な調査研究を行う。

(委員の定数)

第6条 委員の定数は、5人とする。

2 特別の事項を審議する必要があると認めるときは、前項の定数を超えて、臨時に委員を置くことができる。

(委員の委嘱)

第7条 委員は、学識経験者のうちから、教育委員会が委嘱する。

(委員の任期)

第8条 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 委員は、再任されることができる。

3 第6条第2項の規定による委員は、第1項の規定にかかわらず、当該特別事項の審議が終わったときは、その職を解くものとする。

(指定)

第9条 教育委員会は、文化財のうち重要なものを次に掲げる種別により指定することができる。

(1) 大鰐町指定有形文化財

(2) 大鰐町指定無形文化財

(3) 大鰐町指定有形民俗文化財又は大鰐町指定無形民俗文化財

(4) 大鰐町指定史跡、大鰐町指定名勝又は大鰐町指定天然記念物

2 教育委員会は、大鰐町指定無形文化財(以下「町無形文化財」という。)を指定するに当たっては、当該町無形文化財の保持者又は保持団体(町無形文化財を保持する者が主な構成員となっている団体で、代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。

3 教育委員会は、大鰐町指定有形文化財(以下「町有形文化財」という。)、大鰐町指定有形民俗文化財(以下「町有形民俗文化財」という。)及び大鰐町指定史跡、大鰐町指定名勝又は大鰐町指定天然記念物(以下「町記念物」という。)の指定をするには、あらかじめ、指定しようとする文化財の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得なければならない。ただし、所有者又は権原に基づく占有者が判明しない場合は、その者については、この限りでない。

(解除)

第10条 教育委員会は、前条第1項の規定による指定を受けた文化財(以下「町文化財」と総称する。)次の各号の一に該当したときは、その指定を解除することができる。

(1) 滅失したとき。

(2) 著しくその価値を失ったとき。

(3) 町の区域外に移ったとき。

(4) 法又は県条例の規定による指定を受けたとき。

(5) その他特殊な事由のあるとき。

2 教育委員会は、町無形文化財の保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなったと認められる場合その他特殊の事由があるときは、その認定を解除することができる。

(指定等及び解除の審議)

第11条 第9条第1項の規定による指定、同条第2項の規定による保持者又は保有団体の認定、前条第1項の規定による指定の解除及び同条第2項の規定による認定の解除をするには、教育委員会は、あらかじめ、委員の意見を聞くものとする。

(指定及び解除の方法)

第12条 第9条第1項の規定による指定、同条第2項の規定による認定並びに第10条第1項の規定による指定の解除及び同条第2項の規定による認定の解除は、その旨を告示するとともに、当該町文化財の所有者及び権原に基づく占有者又は保持者(指定の場合は保持者として認定しようとする者)若しくは保持団体の代表者(指定の場合は保持団体として認定しようとする団体の代表者)に通知してする。

(指定等の効力発生時期)

第13条 第9条第1項の規定による指定(町無形文化財及び大鰐町指定無形民俗文化財(以下「町無形民俗文化財」という。)の場合を除く。)及び第10条第1項の規定による指定の解除(町無形文化財及び町無形民俗文化財の場合を除く。)は、前条の告示があった日からその効力を生ずる。

(指定書)

第14条 町有形文化財及び町有形民俗文化財の指定をしたときは、教育委員会は、当該町文化財の所有者に指定書を交付しなければならない。

2 第12条の規定による指定の解除の通知を受けたときは、所有者は、速やかに前項の規定による指定書を教育委員会に返付しなければならない。

(所有者等の管理義務)

第15条 町文化財の所有者は、この条例並びにこれに基づいて発する教育委員会規則及び教育委員会の指示又は勧告に従い、町文化財の管理をしなければならない。

2 町文化財の所有者は、特別の事情があるときは、専ら自己に代わり当該町文化財の管理の責に任すべき者(以下「管理責任者」という。)又は管理の責に任すべき団体(以下「管理団体」という。)を選任することができる。

3 管理責任者及び管理団体には、第1項の規定を準用する。

(管理又は修理の経費の負担)

第16条 町文化財(町無形文化財及び町無形民俗文化財を除く。)の管理又は修理に要する経費は、所有者の負担とする。

2 前項の管理又は修理につき、多額の経費を要し、所有者がその負担に堪えない場合その他特別の事情がある場合には、町は当該所有者に対し、予算の範囲内でその経費の一部を補助することができる。

3 前項の規定により補助金を交付する場合には、教育委員会は、その補助の条件として管理又は修理に関し、必要な事項を指示することができる。

(補助金の返還)

第17条 前条第2項の規定により補助金の交付を受けた所有者が次の各号の一に該当するに至ったときは、町は、当該所有者に対し、補助金の全部又は一部の返還を命ずることができる。

(1) 管理又は修理に関し条例又は教育委員会規則に違反したとき。

(2) 補助金の交付を受けた目的以外の目的に補助金を使用したとき。

(3) 前条第3項の補助の条件に従わなかったとき。

(4) 町文化財を有償で譲り渡したとき。

(保存)

第18条 教育委員会は、町無形文化財又は町無形民俗文化財の保存のため必要があると認めるときは、町無形文化財又は町無形民俗文化財について、自ら記録の作成、伝承者の養成その他その保存のため適当な措置を行うことができる。

2 第16条第2項及び第3項並びに前条の規定は、町無形文化財の保持者及び保持団体並びに町無形民俗文化財の保存に当たることが適当と認められる者の場合に準用する。

3 第1項の規定による措置を行う場合は、教育委員会は、あらかじめ、委員の意見を聞くものとする。

(標識等の設置)

第19条 教育委員会は、町文化財の管理に必要な標識、説明板、囲さくその他の施設を設置することができる。

(現状変更等の制限)

第20条 町有形文化財、町有形民俗文化財及び町記念物に関し、その現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状変更については維持の措置をする場合、保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合は、この限りでない。

2 教育委員会は、前項の許可を与える場合において、その許可の条件として必要な指示をすることができる。

3 第1項の許可を受けた者が前項の許可の条件に従わなかったときは、教育委員会は、許可に係る現状の変更の停止を命じ、又は許可を取り消すことができる。

(管理又は保存に関する勧告)

第21条 町文化財の管理又は保存が適当でないと認めるときは、教育委員会は、当該町文化財の所有者、管理責任者若しくは管理団体、又は保持者若しくは保持団体に対し、管理又は保存に関し必要な勧告をすることができる。

(公開)

第22条 教育委員会は、町文化財(町記念物を除く。)の所有者又は保持団体若しくは町文化財の記録の所有者に対し、教育委員会の公開の用に供するため当該町文化財又はその記録の公開又は出品を勧告することができる。

2 前項の規定による公開又は出品のために要する経費は、町の負担とする。

3 第1項の規定により、公開又は出品したことに起因して当該町文化財又はその記録が滅失し、又はき損したときは、町は、所有者に対し、通常生ずべき損害を補償することができる。ただし、所有者の責に帰すべき事由によって滅失し、又はき損した場合は、この限りでない。

(報告)

第23条 教育委員会は、必要があると認めるときは、町文化財の所有者又は管理責任者若しくは管理団体に対し、当該町文化財の現状又は管理者若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。

(届出)

第24条 町文化財の所有者又は保持者若しくは保持団体は、次の各号の一に該当するときは、速やかに教育委員会に届け出なければならない。

(1) 管理責任者又は管理団体を選任し、又は解任したとき。

(2) 所有者の変更があったとき。

(3) 所有者、管理責任者若しくは管理団体又は保持者若しくは保持団体がその氏名若しくは名称又は住所を変更したとき。

(4) 町文化財(町無形文化財及び町無形民俗文化財を除く。以下同じ。)の全部又は一部が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたとき。

(5) 町文化財の所在を変更しようとするとき。

(6) 町文化財を修理しようとするとき。

(7) 町記念物の指定地域内の土地について、その土地の所在、地番、地目又は地積に異動があったとき。

(所有者変更に伴う権利義務の承継)

第25条 町文化財(町無形文化財及び町無形民俗文化財を除く。)の所有者の変更があったときは、新所有者は、当該町文化財に関しこの条例に基づいてする教育委員会の勧告、指示その他の処分による旧所有者の権利義務を承継する。

2 前項の場合には、旧所有者は、当該町文化財(町無形文化財、町無形民俗文化財及び町記念物を除く。)の引渡しと同時にその指定書を新所有者に引き渡さなければならない。

(施行規則)

第26条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。

この条例は、公布の日から施行する。

大鰐町文化財保護条例

昭和59年3月19日 条例第2号

(昭和59年3月19日施行)